1. ベンガルの歴史
 2. 色 と 模様
 3. 体 格 
 4. 性 質
  5. よくある質問

1. ベンガルの歴史

ベンガルは、祖先である美しい山猫の容貌とペットしてのイエネコの愛らしさを兼ね備えることを目的として、その起源にアジアンレパードとイエネコを交配して作られた比較的新しい猫種である。1963年に米国アリゾナ州でジーン・サグデンがアジアンレパードのメスとオスの黒猫を交配して作ったのが正式な文書として最初に記録されているが、それ以前の文献の中にもイエネコと野生の猫との交配に関するものがある。今日のベンガルは、1983年に国際ネコ協会(TICA)で初めて登録され、アジアンレパードから4世代目以降(F4)のベンガルがSBT(イエネコとしてのベンガル)として認められている。ベンガルという名前は、祖先であるアジアンレパードのラテン名、Felis Bengalensisからきている。



2. 色 と 模様

@. 色

<ブラウンタビー または レパードカラードベンガル>

黄褐色・ゴールド・明るいオレンジ・濃いマホガニー等、ブラウンの地色の範疇は広く、地色よりも濃い茶色・黒または褐色のマーキング(模様)を持つ。目の周りは薄い色で囲まれ、頬・顎・胸・腹・脚の内側は白が望ましい。目・口・鼻は黒で縁取られ、鼻はレンガ色。足の裏と尻尾の先端は黒。目の色は、グリーンからゴールドまで。


<スノーレパード/@シールセピアタビー・Aシールミンクタビー >

シールセピアとシールミンクの外見上の識別は非常に難しいが、遺伝的には異なる。セピアもミンクも真っ白ではなく、アイボリーまたは淡いクリームの地色に茶褐色の模様。目の周り・頬・顎はアイボリークリーム。足の裏は薔薇色の色調を持つ焦茶色。尻尾の先端は、茶褐色。
シールセピアの場合、バーミーズの遺伝子をもち、目の色はゴールドまたはグリーン。シールミンクの場合、バーミーズとシャムの遺伝子をそれぞれ持ち、目の色はアクア(淡い緑青色)またはグリーン。



<スノーレパード/Bシールリンクスポイントタビー >

シールリンクスポイントは、アイボリーもしくは薄いクリームの地色に、茶褐色から明るい黄褐色までの模様。目の周り・頬・顎が薄い色。体の模様とポイントの色は微妙に異なる。尻尾の先端は茶褐色。目の色はブルー。シャムの遺伝子を持つ。


また、TICAで公認されていない色としては、シルバー・黒・ブルー・チョコレート・シナモン等がある。



A. 模 様

<スポッティッド>

スポットがランダムまたは水平に並んでいて、縦方向のラインがないこと。ロゼットは、単なるスポットよりは好ましいが、必要という訳ではない。


<マーブルド>

アメリカンショートヘアのマーブルとは異なり、渦を巻いて水平に流れるような縞で、縦方向のラインがないこと。3色のマーブルがより良く、腹部にはスポットが必要。



B. その他の特徴

<グリッター>

グリッターとは、毛の1本1本が金色または銀色(透明)の輝きを放っていること。そのため、グリッターのあるベンガルは、体全体に金粉をまぶしたように、もしくはキラキラ輝いて見える。



<ロゼット>

ロゼットとは、アジアンレパードや他の野生の猫科動物に見られるスポットの変形したもの。模様(マーキング)の輪郭線が中心の色より濃いもの、または、中心の色の薄い部分が複数の色の濃淡を持つもの、もしくは、影のある濃いスポットのことをさす。ロゼットの種類としては、「ドーナツタイプ」「アローヘッドタイプ(矢尻型)」「ポープリントタイプ(犬猫の足跡型)」等がある。ロゼットは大変望ましい特質ではあるが、必要という訳ではない。ベンガルは、イエネコとしてはロゼットを持つ唯一の猫種である。



3. 体 格

ベンガルは、比較的骨格が大きい短毛種で、中型から大型までのサイズである。細長く非常に筋肉質な体をしている。脚は強く筋肉質で中位の長さである。後脚が前脚よりも長い、つまり、腰の位地がわずかに肩より高い。そのため、歩いているときの姿は特に野性的な印象を与える。頭は幅広い少し変形したくさび型で、横幅より縦の方が長く、体全体で比べると小さめである。目は大きく、アーモンド型に近い卵型で、耳は小さく丸みを帯び、鼻は大きく口元は突き出ている。被毛の長さは、短いものから中位のものまでで、毛質は厚く、その手触りは非常に柔かい。オスの体重は約5‐8kg。メスはオスより小さく約3‐5kg。



4. 性 質

ブリーダーの努力により、山猫の持つ凶暴・臆病・友好的でない・人に馴れない等の好ましくない野生動物の特質は、何世代にもわたる繁殖計画から淘汰されている。イエネコとしてのベンガル(F4以降)は、愛情深く、穏やかで、社交的であり、人懐こく遊び好きの愛すべき性格である。また、大変頭が良く、敏捷で好奇心が非常に強い。





5. よくある質問

以下に記載のベンガルとは全て、ベンガル山猫から4世代以降の家庭で飼えるイエネコ(SBT)としてのベンガルのことです。


1.ベンガルって何?ベンガルトラと関係あるの?

ベンガルは、キジネコやアメリカンショートヘアなどの他の猫と同様、家庭で飼える普通の猫です。ベンガルトラとは全く関係ありません。ベンガル山猫(別名:アジアンレパード)という野生の猫の血を引くため、ベンガルと呼ばれるようになりました。



2.山猫の血を引いてるから、気性が荒いんじゃないの?人にちゃんとなつくの?

大丈夫。ベンガルは大変優しく愛らしい、安心して飼えるペットです。もちろん、行動的なベンガルや、おっとりタイプのベンガルなど、個体によりそれぞれ性格に少しずつ差はありますが、一般的にはとても社交的で人なつこい猫です。我が家のベンガルを例に挙げると、ぽぴいは、まったく人見知りをせず、初めてのお客さまにも近寄って、時には甘えて膝の上に座り込んでしまうほどです。一方、ブレイヴは、ぽぴいほど甘えたりはしませんが、初めての人とでも平気で遊びます。



3.ベンガルを飼うのに、特別な檻とか鎖はいらないの?

まったくいりません。他の猫と同じように考えてください。我が家には、特別な檻はなく、普通の猫用ケージが1つありますが、ぽぴいが発情期のときに、ぽぴいかブレイヴのどちらかに時々入ってもらうだけで、普段はめったに使いません。



4.うちには他にもペットがいるんだけど、ベンガルの仔猫を飼っても大丈夫かしら?

ベンガルが仔猫の場合、比較的犬や猫にはなつきやすいようです。また、亀やイグアナ、オウムなどとも一緒に暮らすベンガルも中にはいるそうです。ですから、これは仔猫を受け入れる側のペットの性格に多分に左右されるようです。猫の場合、1週間もすれば、お互い仲良くなれるでしょう。我が家のベンガルをまた例に挙げると、ブレイヴが月齢4ヶ月で我が家へ来た頃、まだぽぴいも5ヶ月半の仔猫だったので、仲良くなるのに3日も掛りませんでした。意外なほど簡単です。




5.ベンガルはどの位大きくなるの?

ベンガル山猫にも亜種があり、最初に繁殖に使われたその亜種の大きさと、交配されたイエネコの大きさにもよりますが、だいたいオスで5−8kg、メスで3−5kgほどのようです。



6.特別な食餌とか必要なの?

いいえ。完全に家庭用の猫ですから、特別な食餌は必要ありません。普通の猫と同様、栄養価の高いキャットフードを与えてください。我が家では、ドライフードや缶詰、ボイルしたささみ、猫用ミルク等を与えています。



7.避妊(あるいは去勢)手術はした方がいいの?

ショーや繁殖を考えないのであれば、是非手術をお薦めします。その方が、猫の健康のためにも良く、望まない仔ができる心配がありません。また、避妊(もしくは去勢)手術を受けた猫は、仔猫の愛らしい性格をずっと持ち続け、飼い主さんの方も発情期のメスの鳴き声やオスのスプレーに煩わされることがありません。



8.ベンガルは室内で飼わなきゃいけないの?

はい。以下の理由で、ベンガルは出入り自由にせず、必ず室内で飼って下さい。もちろん、リードをつけての散歩などは問題ありません。

@ ベンガルは大変珍しく人目を引きますから、他の人に盗られてしまう恐れがあります。

A ベンガルは非常に狩りが上手なので、ご近所の小鳥を獲るかもしれません。また、ご近所の大事な庭を荒らすかもしれません。自分の家の猫がご近所の方の迷惑にならないように心がけましょう。

B 外の世界は魅力的である一方で、危険がいっぱいです。他所の猫と接触して、猫エイズや猫白血病など恐ろしい病気がうつるかもしれません。また、交通事故に遭う恐れもあります。飼い主さんが責任をもって、そういった危険を未然に防いであげましょう。



9.ベンガルの毛はよく抜けるの?しょっちゅう手入れしなくちゃいけないの?

ベンガルは、他の猫と比べて毛が短く滑らかなため、換毛期以外の抜け毛は少ないようです。我が家のベンガルの場合、手入れはあまりしませんが、毛にはいつも光沢があります。